ひたおち

何もなく日々が流れていくことについて

梅雨

東京も梅雨入りしたらしい。

週半ばの水曜日、平年より2日、去年より1日早い入りであるというニュースを見ていた。

亜熱帯の南国育ちの私にとっては梅雨ももうそろそろ終わりという頃。今更梅雨に入っていくなんて流行り廃りに疎いものだ、最先端は夏、夏夏夏ですよ。はは。

と思うが、ここにはその感覚を分け合える人間はいない。

夏に関して好きなものがある。

エアリズムの黒いキャミソールに羽織る開襟シャツ。

サンダルで自由になった足の指。

外回りの車中で聴くグレイプバイン

西日であっつくなった部屋を出た時に感じる夕方の風。

家に余らしたレモン果汁をしこたま注いだハイボール。を飲みながらの日曜夜のバラエティ。

これらを思い浮かべるとどうにも沸き立つ。曇天の向こうにある太陽を期待してしまう。分け合う相手はいないが、この楽しみを誰かに教えることを惜しく感じているのも事実だ。

太陽に照らされる季節すらこっそり楽しむのが好きだと自覚する。暗い。